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ダビング10のルール


 地デジの映像の取り扱い(特にコピーに関する部分)は、アナログ放送の時代と全く異なり、非常にコンテンツ保護が厳格で、ユーザーからすると使い勝手が悪くなりました。しかし、ルールはルールです。ルールを決めることについては別の議論なので、ここでは決められたルールの中では、どういうことになるかご説明します。

 地デジのコンテンツ保護ルールの中に「ダビング10(テン)」というものが存在します。これは、地デジの映像の複製をする場合、テレビやレコーダーなど録画した機器にあるオリジナルの映像1つに加えて、さらに9回まで複製ができるというルールです。ですから、DVDへの複製は9枚までしかできません。また、孫コピーができないようになっているので、外部媒体にバックアップをしておいて、テレビやレコーダーが壊れたときにそこから戻すということもできません。不便ですが、これがダビング10のルールです。


アナログに変換すれば、コピーフリーじゃないの?


 最もよくある誤解ですが、「画質はあきらめてもいいから、アナログに変換すればDVDを何枚も焼けるでしょ?」と聞かれることがあります。これは間違いです。アナログに変換すると、扱いは「ダビング10」ではなく「コピーワンス」となり、その名の通り一度だけの録画で、複製ができなくなります。

 ところが、インターネット上では怪しい業者が、「ダビング10対応」などと称して、画像安定化装置を使ったコピーフリーのソリューションやアナログ変換によりコピーガード外す機器を販売しています。しかし、これらのデジタルコンテンツの違法コピー(いわゆるコピーガード外し)は、著作権法上は同法で禁じる「技術的保護手段の回避」にあたり、明確な違法行為です。こういった業者の口車に乗せられないように気をつけてください。このような機器を販売した者だけでなく、機器を使用する行為も著作権侵害の違法行為となります。


2012年10月の著作権法改正により、さらに厳しくなりました


 2012年10月の著作権法改正までは、このような違法業者のアナログ変換機器でも、違法と証明するのは困難でした。それは、地デジ化の際(このようなルールがなかった時代に使われていた)古いビデオデッキなどが違法機器とならないよう配慮され、そこが法の抜け道となっていたためです。

 違法業者はそこにつけこんで、脱法ビジネスをしています。

 2012年10月に著作権法が改正された主旨のひとつは、このような法の抜け道が存在していたことへの規制強化です。これにより現在ではそのような機器は有無を言わさず違法となりました。法律が変わり、明確に「クロ」になったのです。

 日常的に映像を扱う広報・宣伝マンも、プロとして著作権法の動向に注意し、コンプライアンス上の大きな問題にならないように対処していかなければなりません。