SPIDER

特集記事

プロレス格闘技雑誌の『Dropkick』でSPIDERの特集をしていただきました。
ご厚意により全文転載の許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。

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聞き手/ジャン齋藤
撮影/吉場正和

なぜプロレス雑誌に“家電サービス”が大々的に取り上げられるのか。初めに取材の感想を述べれば、プロレス格闘技界はこのSPIDERによって“変わる”のではないかと考えます。

テレビという世の中でもっとも影響のあるメディアは常にプロレス格闘技界に寄り添っていました。

その力により力道山は戦後日本の英雄となり、アニメとのメディアミックスからタイガーマスクが飛び出し、第二次UWFは逆にテレビに映らないことで幻想を高めた。70年代のキックボクシングは一大ブームを築き上げましたが、テレビを失ったことでマイナーに転落。のちにテレビを取り戻して帝国を築き上げたのがK-1です。PRIDEは地上波に加えてCSのPPVという新メディアを開拓してきました。

さて、現在の格闘技界はテレビとは無縁の存在となり、プロレスも深夜の時間帯です。このままテレビとは縁遠いジャンルになってしまうのか。広がりは持てなくなってしまうのか──。この鼎談はその壁を打破する可能性がSPIDERにあるという内容となっています。アントニオ猪木に騙されたと思ってお読みください。


業界内に「SPIDERを取り上げるな」みたいなムードはあるでしょう

博士斉藤くんは初めてSPIDERを見るわけだから、いまのところチンプンカンプンだと思うけど……。

──正直、「呼ばれてきたけどなんですか?」のハイアン・グレイシー状態です。

博士前もって言うとSPIDER=猪木イズムだからね。「ジャングルが危機に瀕しているならジャングルを守るって言ってねぇでジャングルを作ればいいじゃねぇか!」ってこと。

──猪木イズム? もはや「猪木イズム=ズンドコ」の印象しかない最近のプロレスファンには不吉すぎる例えですね……。

博士オメエはそれでいいや、明るい未来が見えてないね(笑)。じゃあ、とにかく鼎談に入るからね。今回のSPIDER特集に備えて『博士の異常な鼎談』(TOKYO MXで放映されていた時事対談番組)の佐々木さんとの鼎談を観直したんですけど、あらためて面白かったなあ。

佐々木あれはたしか2年前のことですよね。

博士2010年3月の収録です。あのときは佐々木さんが書かれた『2011年 新聞・テレビ消滅』をテーマに宮崎(哲弥、評論家)さんと3人で話したんですけど、いまのメディア状況を見て佐々木さんが予想したことで外れたものってあります?

佐々木あんまりないですけど。『キンドル』(Amazonの電子書籍端末)が本格上陸してないとか、細かいところで実現してないものはあるけど。

博士ほぼ分析どおりですよね。新聞もテレビもさすがに消滅はしてないけども、かなり追い詰められている。今回のテーマであるSPIDERをボクはこの『2011年 新聞・テレビ消滅』を読んで初めて知ったんですが、このサービスの凄さがあれから2年経っても世間には届いてないですよね。

佐々木ぜんぜんですね。

博士まあ、もちろん業務用、つまりプロ用しか流通していないわけだから仕方ないんだけど。でもテレビ業界、マスコミの人はもっともっと注目したほうがいいと思っているんです。

──プロレス界でも革新的な団体って最初はなかなか評価されにくいですからね。ターザン山本を買収して『週プロ』で取り上げてもらったようにメディアに接待攻勢をかけたほうがいいんじゃないですか?

博士いや、SPIDERはターザン山本は不要だよ(笑)。誰もが一回触ればその驚異的な真価と未来性がわかるから大丈夫。ただ、業界内に「SPIDERを取り上げるな」みたいなムードはあるでしょう。

──「オレの目の黒いうちはSPIDERでテレビは見せない!」という長州力ばりのプレッシャーがあるんですか。

博士暗黙のプレッシャー。そんなムードありますよね、有吉社長。

有吉どのハードディスクレコーダー(HDD)にも全録(すべての番組を自動で録画できる)という機能がついて、ネットと通じることができる、いまのチャンスを逃したら、もうテレビというメディアは復活しないんじゃないかなとボクは思ってるんですけど。

博士これは前から言ってるんですけど、このSPIDERを作っている会社って“日本のアップル”や“日本のグーグル”になりえる。決して大げさじゃなくてね。SPIDERは『ガイアの夜明け』とか『情熱大陸』や『NHK特集』で取り上げるべき革命的な代物なんだけど、この世界観を掴めてる人がいないからテレビ側からの取材もそんなにされていない。だからここでも、まずイチからSPIDERの説明をしていかないといけない。そもそも『Dropkick』の読者はプロレス格闘技雑誌でなぜこんなものを紹介してるのかとポカンとしてるわけだから(笑)。

──正直、不安ですね。ツイッター大特集のときも取り上げるのが早すぎたのか、プロ格ファンには全然届かなくて……。